ブレーキフルードの事

 困っていたのが、近年のハイパフォーマンスカーに対応するサーキットスペックブレーキフルードの選択肢が少ないことです。

 

昔から車遊びをしていた方でも知らない方が多いようですが(むしろ先入観がじゃましているかも?)、近年の車両はトラクションコントロールやABS、ブレーキバイワイヤなどへの対応を前提にCLASS6やCLASS7(ISO規格)などの新しい規格のブレーキフルードが採用されています。

 

量販店等で売られているブレーキフルードは旧規格(DOT4やDOT5.1)が多く、知らずに入れ替えてしまうとブレーキフィーリングが柔らかくなってしまったり、車両メーカーの意図とは異なるトラクションコントロールやABS作動の仕方になってしまったりします。

 

当社でもユーザー含め複数の車両をサーキットで走らせますが、やはり旧規格のサーキットスペックフルードで走るとフィーリングが悪かったり、妙なABSの作動になったりといいことがありませんでした。

 

 

その折、NUTEC社よりCLASS7対応のブレーキフルードが発売になったため、当社でも発売初日にデモカーのA110に全量交換にて入れ替えました。

 

結果、誰が乗っても気付くレベルでフィーリングが改善いたしました。

 

誤解を恐れず簡単に説明すると、CLASS7新規格ブレーキフルードは旧規格ブレーキフルードよりも半分程度の粘度となっており、油圧伝達が抜群に早くなることから狙い通りの指示(油圧伝達)が可能となるのが特徴です。

 

CLASS7フルードは旧規格の車両でも使用できるので、ダイレクトなブレーキフィールを望む方にはうってつけです。

また、すでにCLASS6指定になっている車両でも入れ替えの効果は感じられると思います。

 

なお、ブレーキフルードは現在の物と異なるものを入れる場合は全量入れ替えが必須です。(1.5L~2.0L程度)

診断機を利用したブレーキブリード(整備モード)でABSの強制解放を行っての全量交換が望ましいので、交換を考える方はまずは行きつけのディーラーやショップに相談してみてください。

 

ちなみにサーキットを走る方でカタログのドライ/ウェット沸点を購入基準にしている方が多いですが、こまめなエア抜き(ブレーキブリード含む)を実施するほうがはるかに有効です。基本はサーキットを一回走ったらエア抜きは行うものと考えてください。特に重量級のメガーヌでは必須ですね。加えてブレーキのクーリング対策も重要です。

 

NUTEC CLASS7ブレーキフルードメーカーサイトはこちら