アルピーヌA110リヤウイング開発日誌も最終回となりました。
販売商品製作用のCFRP(ドライカーボン)型の製作が完了しました。
今回は、強度・寸法維持性能・耐久性を総合的に勘案し10層構造といたしました。
CFRP型は市販少量生産品の型としては非常に品質に優れており設計値に対して寸分の狂いなく量産を行うことが可能となります。なお、誰もが知る大手自動車メーカー直系のアフターパーツ部門なども少量車種は、ほぼ同様の工程にて製作していると考えて間違いありません。
そういった意味では、我々のようなサードパーティーメーカーでここまで製作コストを掛けるケースは稀かもしれません。
この後は製品の製作工程となり、プリプレグ(ドライカーボンの材料)を積層しオートクレーブでの焼き上げへと進みます。焼き上げが終了したらクリア塗装を行い商品の完成となります。
残念ながらCFRP型への積層工程は企業秘密となるため公開できません。
出来上がる商品の名称は【ドライカーボン製リヤスポイラー】とはなりますが、【設計方法はどうするか・マスター型はどのように造るか・試作はどのように行うか・量産型は何で作るか・材料は何を使用するか・積層方法はどうするか・焼き上げはオートクレーブかそれ以外か】などなど…
ひとえにドライカーボン製品といっても出来上がる製品には工程によって品質に大きな差が生まれます。
サードパーティー系の同業他社が本開発日誌を見ればこの価格帯の市販少量生産品でここまでコストを掛けるのかと驚くことは間違いないでしょう。
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